本ページにはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれています。掲載順や評価は広告の有無・報酬額によって変えていません。

ホーム / 実家とおや

施設の食費と居住費は上限の外にある。負担限度額認定と、医療と介護の合算

基準日 2026年9月23日 ・ 確認 安井義幸

結論(要約回答)

高額介護サービス費で月ごとの自己負担に上限がかかりますが[5]、施設に入ったときの食費と居住費はその上限の外側にあります。ここを軽減するのが負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)で、所得だけでなく預貯金等の資産の要件も満たす必要があります。第2段階(年金収入金額と合計所得金額の合計が80万円以下)の資産要件は単身650万円・夫婦1,650万円で、第3段階②(同120万円超)は単身500万円・夫婦1,500万円です[2]。認定を受けた場合の食費の負担限度額は、令和6年8月から第1段階が日額300円、第2段階が390円、第3段階①が650円、第3段階②が1,360円です[1]。軽減がない場合の基準費用額は食費が日額1,445円、ユニット型個室の居住費が2,066円です[1]。もう一つ、医療と介護の自己負担を1年分(毎年8月1日から翌年7月31日)合算し、基準額を超えた分が支給される高額介護合算療養費という仕組みもあります[3]。医療保険者と介護保険者の双方が自己負担額の比率に応じて負担し合う形で支給されます[3]。

結論の一覧表

項目 内容 出典
食費の負担限度額(日額・施設) 第1段階300円/第2段階390円/第3段階①650円/第3段階②1,360円 [1]
食費の負担限度額(日額・ショートステイ) 第1段階300円/第2段階600円/第3段階①1,000円/第3段階②1,300円 [1]
基準費用額(軽減がない場合の目安) 食費 日額1,445円/ユニット型個室 日額2,066円/ユニット型個室的多床室 日額1,728円 [1]
居住費の負担限度額(ユニット型個室) 第1段階380円/第2段階480円/第3段階①880円/第3段階②880円(特養等の従来型個室の場合) [1]
所得の要件 第1段階は生活保護受給者等/第2段階は年金収入金額+合計所得金額が80万円以下/第3段階①は80万円超120万円以下/第3段階②は120万円超 [2]
預貯金等の資産要件 第1段階 単身1,000万円・夫婦2,000万円/第2段階 単身650万円・夫婦1,650万円/第3段階① 単身550万円・夫婦1,550万円/第3段階② 単身500万円・夫婦1,500万円 [2]
合算の対象期間 毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間 [3]
合算の支給の仕組み 医療保険者、介護保険者の双方が、自己負担額の比率に応じて負担し合う [3]

高額介護サービス費の上限に、食費と居住費は入っていない

答え: 施設に入ったときの食費と居住費は、高額介護サービス費の対象外です。月の上限額を超えても、この二つは別に請求されます。

根拠:高額介護サービス費は、1か月の介護サービスの自己負担額が一定額を超えた場合に、超えた分が支給される仕組みです[5]。食費と居住費は介護サービスの自己負担ではなく、別に設定された費用です。

この違いが、実際の請求書を見たときの「思っていたより高い」の正体です。たとえば市町村民税非課税世帯の高額介護サービス費の上限は月24,600円ですが[5]、施設に入っていれば、この上限とは別に食費と居住費が毎日かかります。軽減がない場合、食費の基準費用額は日額1,445円なので、30日で43,350円です[1]。居住費がユニット型個室であれば基準費用額は日額2,066円で、30日で61,980円になります[1]。

だからこそ、次に説明する負担限度額認定を受けられるかどうかが効いてきます。

負担限度額認定は、所得と預貯金の両方を見る

答え: 世帯の課税状況(所得段階)だけでなく、預貯金等がいくらあるかも要件になります。

根拠:厚生労働省の資料では、利用者負担段階が次のように区分されています[2]。第1段階は生活保護受給者、または世帯全員が市町村民税非課税である老齢福祉年金受給者。第2段階は年金収入金額と合計所得金額の合計が80万円以下。第3段階①は同80万円超120万円以下。第3段階②は同120万円超です[2]。

これに加えて、預貯金等の資産要件があります[2]。

段階 単身 夫婦
第1段階 1,000万円 2,000万円
第2段階 650万円 1,650万円
第3段階① 550万円 1,550万円
第3段階② 500万円 1,500万円

所得が低くても預貯金が基準を超えていれば対象外です。逆に言えば、施設入所を見据えるなら、この基準がどこにあるかを知っておく意味があります。なお、補足給付は原則として世帯全員(世帯を分離している配偶者を含む)が市町村民税非課税である方が対象とされています[2]。世帯分離をすれば対象になる、という単純な話ではありません。

申請先は市区町村です。認定には申請が必要で、遡って適用されるわけではないため、入所が決まった段階で早めに手続きしてください。

認定を受けた場合、いくらになるか

答え: 令和6年8月から、食費は日額300円から1,360円、居住費は室料の区分と段階によって決まります[1]。

根拠:食費の負担限度額(日額)は、第1段階が300円、第2段階が390円、第3段階①が650円、第3段階②が1,360円です[1]。ショートステイの場合は、第1段階が300円、第2段階が600円、第3段階①が1,000円、第3段階②が1,300円とされています[1]。

居住費の負担限度額(日額)は、室料の区分によって分かれます[1]。特別養護老人ホーム等の従来型個室では、第1段階380円、第2段階480円、第3段階①880円、第3段階②880円です[1]。介護老人保健施設・介護医療院等の従来型個室では、第1段階・第2段階が550円、第3段階①・第3段階②が1,370円です[1]。多床室は特養等・老健等ともに、第1段階0円、第2段階以降430円とされています[1]。

軽減がない場合の基準費用額は、食費が日額1,445円、多床室(特養等)が915円、多床室(老健等)が437円、従来型個室(特養等)が1,231円、従来型個室(老健等)が1,728円、ユニット型個室的多床室が1,728円、ユニット型個室が2,066円です[1]。

第2段階に該当すれば、食費は基準費用額1,445円が390円になります[1]。1日あたり1,055円、30日で3万円を超える差です。認定の有無で、月の負担は大きく変わります。

医療と介護を1年分まとめて合算する仕組みもある

答え: 毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間の、医療保険と介護保険の自己負担を合算し、基準額を超えた分が支給されます。

根拠:厚生労働省は、高額医療・高額介護合算療養費制度について、1年間(毎年8月1日から翌年7月31日)の医療保険と介護保険の自己負担の合算額が高額な場合に自己負担を軽減する制度としています[3]。支給は、医療保険者、介護保険者の双方が、自己負担額の比率に応じて負担し合う形で行われます[3]。厚生労働省の別の資料では、世帯内の後期高齢者医療制度の被保険者全員が1年間に支払った医療保険と介護保険の自己負担を合計し、基準額を超えた場合にその超えた金額を払い戻す制度と説明されています[4]。

自己負担限度額は所得と年齢の区分ごとに設定されていますが、当サイトでは現行の区分ごとの年額を示した公式資料を確認できていません。金額については、加入している医療保険者(後期高齢者医療広域連合、市区町村の国民健康保険、健康保険組合など)にご確認ください。

親が入院と介護を並行している時期は、医療と介護の両方で毎月の上限に当たります。月ごとの上限だけを見ていると、この年単位の仕組みを使い損ねます。申請しないと支給されないため、1年分の自己負担が大きかった年は、市区町村の窓口に相談してみてください。

よくある質問

Q. 負担限度額認定は、毎年申請が必要ですか? A. 認定には有効期間があり、更新の手続きが必要になるのが一般的です。取扱いは市区町村によるため、お住まいの市区町村にご確認ください。

Q. 預貯金はどうやって確認されますか? A. 申請時に通帳の写しの提出を求められる運用が一般的です。詳細は市区町村にご確認ください。

Q. 在宅で介護している場合、食費の軽減はありますか? A. 本記事で扱った負担限度額認定は、施設サービスとショートステイの食費・居住費(滞在費)を対象とした仕組みです[1]。在宅で使うサービスの自己負担については親の介護費用は何で決まるかをご覧ください。

Q. 親の預貯金が基準を少し超えています。減らせば対象になりますか? A. 資産を意図的に動かすことの是非は当サイトでは判断しません。また相続の場面で別の論点になることもあります。市区町村および専門家にご確認ください。

Q. これらの制度でも足りない場合は、どう備えますか? A. 公的な軽減には要件があり、所得や資産が基準を超える世帯は対象外です。その場合、施設の食費・居住費は基準費用額がそのままかかります[1]。どこまで自己資金で持ち、どこから民間の保険で備えるかは家庭ごとに違います。考え方の整理は保険の相談についてからご相談ください。

出典

  1. 厚生労働省老健局「介護保険最新情報 Vol.1280」(令和6年6月21日。https://www.mhlw.go.jp/content/001266890.pdf、2026-09-23参照)
  2. 厚生労働省「補足給付(特定入所者介護サービス費)の見直しについて」(https://www.mhlw.go.jp/content/000778218.pdf、2026-09-23参照)
  3. 厚生労働省「高額医療・高額介護合算療養費制度について」(https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/07/dl/tp0724-1b.pdf、2026-09-23参照)
  4. 厚生労働省「高額介護合算療養費制度」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02d-29.html、2026-09-23参照)
  5. 厚生労働省「介護サービス情報公表システム 介護保険の解説 サービスにかかる利用料」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html、2026-09-23参照)

関連記事

この記事は制度と実務の一般的な解説です。個別の税務・法律・投資の判断ではありません。 詳しくは免責事項をご覧ください。