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接待の費用はどこまで経費になるか。1人1万円の線と、中小法人の800万円

基準日 2026年9月23日 ・ 確認 安井義幸

結論(要約回答)

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいいます[1]。原則として損金になりませんが、二つの出口があります。一つ目は、支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が10,000円以下である費用は、そもそも交際費等から除かれるという扱いです[1]。この基準は令和6年3月31日以前は5,000円以下でした[1]。二つ目は、中小法人であれば、800万円にその事業年度の月数を乗じて12で除して計算した金額を超える部分が損金不算入になるという定額控除です[1]。あるいは、接待飲食費の50パーセントに相当する金額を超える部分を損金不算入とする方法もあります[1]。同じ支出でも、不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用であれば広告宣伝費として扱われ、交際費等には含まれません[2]。一人当たりの金額と、誰に対する支出かで分かれる、というのが全体像です。

結論の一覧表

項目 内容 出典
交際費等の定義 交際費、接待費、機密費その他の費用で、得意先・仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの [1]
交際費等から除かれる飲食費 支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が10,000円以下であるもの [1]
従前の基準 令和6年3月31日以前は5,000円以下 [1]
中小法人の定額控除限度額 800万円にその事業年度の月数を乗じ、これを12で除して計算した金額 [1]
接待飲食費の特例 接待飲食費の50パーセントに相当する金額を超える部分が損金不算入 [1]
広告宣伝費との区分 不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用は交際費等に含まれない。カレンダーや手帳などの贈与費用も同様 [2]

まず「1人当たり10,000円以下」で分ける

答え: 飲食費のうち、参加した人数で割って1人当たり10,000円以下になるものは、交際費等に当たりません[1]。

根拠:国税庁は、交際費等から除かれるものとして、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が10,000円以下である費用を挙げています[1]。この基準は、令和6年3月31日以前は5,000円以下でした[1]。

計算は総額ではなく1人当たりです[1]。5人で60,000円の会食なら1人12,000円なので交際費等になりますが、6人で60,000円なら1人10,000円で交際費等から外れます。人数がそのまま線引きに効きます。

そのため、参加者の人数と氏名、相手先の名称を記録に残しておく必要があります。領収書だけでは1人当たりの金額を示せません。日付、参加者、相手先、店名を控える運用にしておくと、後から説明できます。

中小法人には二つの選び方がある

答え: 800万円の定額控除限度額を使うか、接待飲食費の50パーセントを使うかです[1]。

根拠:国税庁は、中小法人について、800万円にその事業年度の月数を乗じてこれを12で除して計算した金額を超える部分を損金不算入とする方法と、飲食その他これに類する行為のために要する費用の50パーセントに相当する金額を超える部分を損金不算入とする方法を示しています[1]。

事業年度が12か月であれば、定額控除限度額は800万円です。事業年度が短い場合は月割りになります[1]。

年間の交際費等が800万円[1]を下回る会社であれば、定額控除のほうが有利になります。接待飲食費が非常に多い会社では50パーセントのほうが有利になることがあります。どちらを選ぶかは金額次第なので、決算の段階で顧問税理士にご確認ください。当サイトは個別の税務判断を行いません。

広告宣伝費とは分けて考える

答え: 不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用であれば、交際費等には含まれません。

根拠:国税庁は、カレンダーや手帳などの贈与費用、および不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用は交際費等に含まれず、広告宣伝費として扱われるとしています[2]。

同じ「配る」でも、特定の取引先に贈答するのか、不特定多数に配るのかで区分が変わります。社名入りのカレンダーを広く配るのは広告宣伝費、特定の得意先にお歳暮を贈るのは交際費等、という整理です。

記録の残し方が、結局いちばん効く

答え: 1人当たりの金額で判定する以上、人数と相手先の記録がなければ判定そのものができません。

根拠:交際費等から除かれる飲食費の判定は、支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算します[1]。

つまり、参加人数が分からなければ、10,000円以下[1]かどうかを示せません。カードの明細と領収書だけでは足りません。法人カードで支払いを一本化しておくと日付と金額は自動で残りますが、参加者の記録は別に必要です。カードの選び方は法人カードは何を基準に選ぶかで扱っています。

よくある質問

Q. 社内の懇親会は交際費等になりますか? A. 社内の行事に関する費用の取扱いは、本記事で参照した資料の範囲を超えるため扱いません。顧問税理士にご確認ください。

Q. 1人10,000円ちょうどはどちらですか? A. 国税庁は「10,000円以下である費用」を交際費等から除くとしています[1]。

Q. ゴルフや観劇の接待はどうなりますか? A. 交際費等から除かれるのは飲食費についての取扱いです[1]。飲食以外の接待については、交際費等の定義に沿って判断することになります[1]。

Q. 期の途中で800万円を超えそうな場合、どうしますか? A. 定額控除限度額は事業年度単位で計算されます[1]。超える見込みが立った段階で、顧問税理士に相談して支出の計画を見直すのが実際的です。

Q. 取引先との関係で加入する保険はどう扱いますか? A. 保険料の税務上の取扱いは、契約の種類と受取人の設定によって変わります。ご契約の整理は保険の相談についてからご相談ください。

出典

  1. 国税庁「タックスアンサーNo.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5265.htm、2026-09-23参照)
  2. 国税庁「タックスアンサーNo.5260 交際費等と広告宣伝費との区分」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5260.htm、2026-09-23参照)

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