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法人カードは何を基準に選ぶか。年会費・追加カード・ETC・審査書類の4点で絞る

基準日 2026年9月8日 ・ 確認 安井義幸

結論(要約回答)

法人カードは還元率で選ぶと外します。実際に効いてくるのは、従業員に持たせる追加カードの年会費と枚数、ETCカードの条件、申込に必要な書類、そして年会費が続けられる水準かどうかの4点です。従業員の枚数が要るなら三井住友カード ビジネスオーナーズが有力で、本カードもパートナーカードも年会費が永年無料、パートナーカードは最大18枚まで発行できます[1]。出張が多く手厚い付帯を求めるならJCBゴールド法人カード(年会費11,000円、初年度無料、海外旅行傷害保険は自動付帯)[3]、接待や海外利用が中心ならセゾンプラチナ・ビジネス・アメックスですが、2025年8月4日に年会費が22,000円から33,000円(税込)へ改定されている点は押さえてください[4][5]。開業直後で審査が不安な場合は、登記簿謄本や決算書の提出が不要と明記しているカードから当たるのが現実的です[1][4]。

結論の一覧表

カード 年会費(税込) 追加カード ETC 出典
三井住友カード ビジネスオーナーズ 永年無料 パートナーカード無料・最大18枚 年会費無料(前年度に利用がない場合550円)・本カード1枚につき1枚 [1]
同 ゴールド 5,500円(年間100万円利用で翌年以降永年無料) パートナーカード無料・18枚まで 同上 [2]
JCB法人カード(一般) 1,375円(初年度無料) 使用者カード1,375円/枚 ETCスルーカードN 発行手数料・年会費とも無料 [3]
JCBゴールド法人カード 11,000円(初年度無料) 使用者カード3,300円/枚 同上 [3]
セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス 33,000円(初年度無料) 3,300円/枚・最大9枚 年会費無料・最大5枚 [4][5]
アメックス・ビジネス・グリーン 13,200円 特典あり6,600円/特典なし無料(判定期間に利用がない場合は管理手数料3,300円) 年会費・発行手数料無料・最大20枚 [6]
freeeカード Unlimited 無料 無料・無制限 公式に記載を確認できず [7]
ライフカードビジネスライトプラス 無料(ゴールドは2,200円・初年度無料) 最大3枚 年会費・発行手数料とも無料 [8]

なぜ還元率で選ぶと外すのか

答え: 法人の支出は金額が大きい一方、還元率の差より、追加カードの年会費と経理の手間のほうが金額として効いてくるからです。

根拠:たとえば従業員5人にカードを持たせる場合、JCB法人カード(一般)なら使用者カードが1枚1,375円なので、年間6,875円が固定費として乗ります[3]。三井住友カード ビジネスオーナーズはパートナーカードが永年無料なので、この差が毎年出続けます[1]。一方、還元率は0.5%と1.0%の差で年間100万円の決済なら5,000円です。枚数が増えるほど、還元率より年会費の設計で決まります。加えて、明細が分かれていないと記帳のたびに個人利用と事業利用を仕分ける作業が発生します。この時間も実質的なコストです。

追加カードは「枚数」と「無料かどうか」で見る

答え: 従業員に配る前提なら、追加カードが無料で枚数の上限が高いカードを選びます。

根拠:三井住友カード ビジネスオーナーズはパートナーカードが年会費永年無料で最大18枚[1]、freeeカード Unlimitedは追加カードが無料・無制限とされています[7]。対してセゾンプラチナ・ビジネス・アメックスは1枚3,300円で最大9枚(新規入会時は最大3枚)[4]、アメックス・ビジネス・グリーンは特典ありが6,600円、特典なしなら無料ですが、判定期間内に利用がないと管理手数料3,300円が請求されます[6]。ライフカードビジネスライトプラスは最大3枚なので、人数が増える会社には向きません[8]。

ETCは「クレジット系」と「組合系」で仕組みが違う

答え: 車両が多い、あるいは開業直後で審査が通りにくい場合だけ、組合系のETCカードを検討します。それ以外はカード付帯のETCで足ります。

根拠:カード会社発行のETCカードは、JCBのETCスルーカードNが発行手数料・年会費とも無料[3]、アメックス・ビジネス・グリーンが年会費・発行手数料無料で基本カード会員1名につき最大20枚まで発行できます[6]。三井住友カード ビジネスオーナーズは年会費無料ですが、前年度に一度も利用がない場合は550円(税込)がかかり、発行枚数はビジネスカード1枚につき1枚です[1]。

一方、高速情報協同組合のETCカードはクレジット機能を持たず、組合独自の審査で発行されるため、新設法人でも取得しやすいとされています[9]。ただし出資金10,000円(脱退時返金)、カード発行手数料550円(税込)、年間手数料550円(税込)に加えて、利用金額に対する手数料がETCマイレージなしで5%、ありで8%かかります[9]。高速代が年間100万円なら、手数料だけで5万円から8万円です。台数が多くカードを何枚も要る場合や、クレジット審査が通らない場合の選択肢と考えるのが実際的です。

申込書類は「登記簿謄本・決算書が要るか」で分かれる

答え: 設立直後や、決算書を出したくない場合は、不要と明記しているカードから当たります。

根拠:三井住友カード ビジネスオーナーズは公式に「登記簿謄本・決算書提出不要」と記載しています[1][2]。セゾンプラチナ・ビジネス・アメックスも「ご本人様の確認資料のみ。登記簿謄本や決算書のご提出は不要です」と明記しています[4]。ライフカードビジネスライトプラスは決算資料不要と記載があります[8]。JCB法人カードとアメックス・ビジネス・グリーンについては、公式ページで書類の要否を明示した記載を当サイトでは確認できませんでした。申込前に各社にご確認ください。

なお、freeeカード Unlimitedは公式ページで法人事業者のみが対象とされており、個人事業主は申し込めません[7]。個人事業主の方は、同社の別ラインナップか、上記の他社カードが対象になります。

そもそも、なぜ事業用カードを分けるのか

答え: 「分けなければならない」という法令はありませんが、記帳と保存の要件を満たすうえで、分けておくのがいちばん手間が少ないからです。

根拠:国税庁は、家事上と業務上の両方にかかわる費用(家事関連費)が必要経費になるのは「取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます」としています[10]。区分できる記録が要る、ということです。また法人は、帳簿と取引に関して作成・受領した書類を、確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存する義務があります[11]。事業用の決済を1枚に集約しておけば、明細がそのまま区分の記録になり、会計ソフトへの取り込みも一度で済みます。

よくある質問

Q. 個人カードを事業用に使い続けるのは問題ですか? A. 法令で禁止されているわけではありません。ただし、家事関連費として経費にするには業務上直接必要だったことを区分して示す必要があるため[10]、明細が混ざっているほど作業と説明の負担が増えます。

Q. 年会費は経費になりますか? A. 事業のために使うカードの年会費は、一般に事業の経費として処理されます。ただし個別の判断は税理士にご確認ください。当サイトは税務の個別判断を行いません。

Q. 限度額はどれくらい必要ですか? A. 月の仕入れや広告費など、カードで払う予定の最大月額の2倍程度を目安にすると、締め日をまたぐ支払いでも詰まりにくくなります。三井住友カード ビジネスオーナーズとJCB法人カードは公式にショッピング利用枠500万円までと記載しています[1][3]。

Q. 付帯の海外旅行保険はどれが手厚いですか? A. 自動付帯か利用付帯かで実務が変わります。JCBゴールド法人カードとセゾンプラチナ・ビジネス・アメックスは自動付帯[3][4]、三井住友カード ビジネスオーナーズとアメックス・ビジネス・グリーンは利用付帯です[1][6]。付帯条件の詳しい違いは、クレジットカードの比較サイト「カードのミカタ」で扱っています。

出典

  1. 三井住友カード「ビジネスオーナーズ」(https://www.smbc-card.com/hojin/lineup/biz_owners_index.jsp、2026-09-08参照)
  2. 三井住友カード「ビジネスオーナーズ ゴールド」(https://www.smbc-card.com/hojin/lineup/biz_owners_gold.jsp、2026-09-08参照)
  3. JCB「JCB法人カード/JCBゴールド法人カード」(https://www.jcb.co.jp/promotion/ordercard/corp/standard3/index.html、2026-09-08参照)
  4. クレディセゾン「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」(https://www.saisoncard.co.jp/amextop/cp-af-cat/pb.html、2026-09-08参照)
  5. クレディセゾン「年会費改定のお知らせ」(2025年3月11日、https://www.saisoncard.co.jp/customer-support/information/20250311/、2026-09-08参照)
  6. アメリカン・エキスプレス「ビジネス・グリーン・カード」(https://www.americanexpress.com/ja-jp/credit-cards/green-business-corp-card/、2026-09-08参照)
  7. フリー株式会社「freeeカード Unlimited」(https://www.freee.co.jp/card/corporate/、2026-09-08参照)
  8. ライフカード「ライフカードビジネスライトプラス」(https://www.lifecard.co.jp/card/credit/bussinesslight/、2026-09-08参照)
  9. 高速情報協同組合「ETCカード」(https://www.kousoku-j.jp/etc-card/、2026-09-08参照)
  10. 国税庁「タックスアンサーNo.2210 やさしい必要経費の知識」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm、2026-09-08参照)
  11. 国税庁「タックスアンサーNo.5930 帳簿書類等の保存期間」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5930.htm、2026-09-08参照)

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