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年金にも税金はかかる。確定申告不要制度と、それでも申告したほうがよい場合

基準日 2026年9月23日 ・ 確認 安井義幸

結論(要約回答)

公的年金等は雑所得として課税されます。所得金額は、年金の収入金額から公的年金等控除額を差し引いて計算します[1]。65歳以上で公的年金等の収入が350万円の場合、国税庁は「3,500,000円×75%-275,000円=2,350,000円」という計算例を示しています[1]。確定申告については不要制度があり、公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であれば、申告は不要です[1]。ただし不要というだけで、できないわけではありません。医療費控除など各種の所得控除の適用による所得税の還付を受けるための確定申告をすることができます[1]。医療費が多くかかった年や、生命保険料控除・地震保険料控除を使える年は、申告したほうが戻る場合があります。なお、確定申告が不要であっても住民税の申告が必要な場合があります[1]。

結論の一覧表

項目 内容 出典
所得の区分 公的年金等は雑所得 [1]
所得金額の計算 年金の収入金額から公的年金等控除額を差し引いて計算 [1]
計算例(65歳以上・収入350万円) 3,500,000円×75%-275,000円=2,350,000円 [1]
確定申告不要制度の要件 公的年金等の収入金額が400万円以下、かつ公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下 [1]
還付のための申告 各種の所得控除の適用による所得税の還付を受けるための確定申告をすることができる [1]
住民税 確定申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合がある [1]

年金は「もらったまま」ではない

答え: 公的年金等は雑所得として課税され、収入金額から公的年金等控除額を差し引いて所得を計算します。

根拠:国税庁は、公的年金等について、年金の収入金額から公的年金等控除額を差し引いて所得金額を計算するとしています[1]。65歳以上で公的年金等の収入が350万円の場合の計算例として、「3,500,000円×75%-275,000円=2,350,000円」を示しています[1]。

年金からは所得税が源泉徴収されています。振り込まれる額は手取りであって、額面ではありません。年金額の通知を見て生活設計を立てるときは、ここを踏まえておく必要があります。

繰下げ受給を検討する場合も同じです。年金額が増えれば課税される所得も増えます。繰下げの判断材料は年金は繰下げたほうが得かで扱っています。

400万円と20万円が申告不要の線

答え: 公的年金等の収入金額が400万円以下で、それ以外の所得が20万円以下であれば、確定申告は不要です[1]。

根拠:国税庁は、確定申告不要制度の要件として、公的年金等の収入金額が400万円以下であること、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であることを挙げています[1]。

二つの条件の両方を満たす必要があります。年金以外に、不動産の賃貸収入がある、講師料や原稿料がある、といった場合は20万円[1]の線を超えることがあります。

また、確定申告が不要であっても、住民税の申告が必要な場合があります[1]。この点は国税庁も注記しています。お住まいの市区町村にご確認ください。

申告しなくてよい人ほど、申告すると戻ることがある

答え: 医療費控除など、各種の所得控除の適用による所得税の還付を受けるための確定申告をすることができます。

根拠:国税庁は、確定申告不要制度に該当する場合でも、医療費控除など「各種の所得控除の適用による所得税の還付を受けるための確定申告をすることができます」としています[1]。

年金からは所得税が源泉徴収されています。医療費控除を使えば、その源泉徴収された分が戻る場合があります。医療費控除は、支払った医療費から保険金などで補填される金額を引き、さらに10万円(総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5パーセント)を引いた額が対象です[2]。

ここが重要です。総所得金額等が200万円未満であれば、引く金額が10万円より小さくなります[2]。年金生活で所得が下がった方ほど、少ない医療費でも控除の対象になりやすくなります。医療費控除の範囲は医療費控除はどこまで対象かで扱っています。

親の医療費や介護費用を子が負担している場合、生計を一にしていれば子の申告にまとめられる場合があります[2]。どちらで申告するかは、個別の事情によります。判断は税理士または税務署にご確認ください。当サイトは個別の税務判断を行いません。

よくある質問

Q. 年金以外に働いて収入がある場合はどうなりますか? A. 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円を超える場合、確定申告不要制度の要件を満たしません[1]。

Q. 遺族年金にも税金はかかりますか? A. 本記事で参照した資料には遺族年金の課税関係の記載がないため扱いません。日本年金機構または税務署にご確認ください。遺族年金の金額については遺族年金はいくら出るかをご覧ください。

Q. 公的年金等控除額はいくらですか? A. 年齢と収入金額によって変わります。国税庁のページに計算方法が示されています[1]。本記事では、示されている計算例のみを挙げています。

Q. 確定申告をすると、かえって不利になることはありますか? A. 申告の有利不利は個別の事情によります。税理士または税務署にご確認ください。

Q. 介護施設の費用は控除の対象になりますか? A. 介護保険制度のもとで提供された一定のサービスの自己負担額が医療費控除の対象として挙げられています[2]。施設の費用の全体像は施設の食費と居住費は上限の外にあるをご覧ください。

出典

  1. 国税庁「タックスアンサーNo.1600 公的年金等の課税関係」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm、2026-09-23参照)
  2. 国税庁「タックスアンサーNo.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm、2026-09-23参照)

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