失業給付はいつから、いくら、何日分か。自己都合なら2か月待つ
基準日 2026年9月23日 ・ 確認 安井義幸
結論(要約回答)
受給の要件は二つです。ハローワークに来所して求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就くことができない状態であること。そして離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あることです[1]。倒産・解雇などによる特定受給資格者または特定理由離職者の場合は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あれば足ります[1]。金額は、離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額の、およそ50〜80パーセント(60歳から64歳については45〜80パーセント)です[1]。時期については、求職の申込み後の失業の状態にある7日間は支給されず、これを待期といいます[2]。自己都合退職の場合はさらに、待期期間満了後2か月間(過去5年間に2回以上自己都合で離職している場合は3か月間)支給されません[2]。受けられる期間は、原則として離職の翌日から1年間です[2]。日数は離職理由と被保険者であった期間で決まり、自己都合や定年などの一般の離職者は90日から150日です[3]。
結論の一覧表
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 受給要件(被保険者期間) | 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上 | [1] |
| 特定受給資格者・一部の特定理由離職者 | 離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上でも可 | [1] |
| 基本手当日額 | 離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割った額の、およそ50〜80パーセント(60歳〜64歳は45〜80パーセント) | [1] |
| 日額の上限(令和8年8月1日現在) | 30歳未満7,450円/30歳以上45歳未満8,270円/45歳以上60歳未満9,110円/60歳以上65歳未満7,830円 | [1] |
| 待期 | 求職の申込み後の、失業の状態にある7日間は支給されない | [2] |
| 自己都合の給付制限 | 待期期間満了後2か月間(過去5年間に2回以上自己都合で離職している場合は3か月間) | [2] |
| 受給期間 | 原則として離職の翌日から1年間 | [2] |
| 所定給付日数(一般の離職者) | 1年未満・1年以上5年未満90日/5年以上10年未満120日/10年以上20年未満120日/20年以上150日 | [3] |
まず「12か月」の要件を満たしているか
答え: 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あることが要件です。
根拠:厚生労働省は、基本手当の受給要件として、ハローワークに来所し求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても職業に就くことができない状態であること、および離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上あることを挙げています[1]。特定受給資格者または特定理由離職者の場合は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可とされています[1]。
通算でよい点が重要です。転職を挟んでいても、2年の中で合計12か月あれば要件を満たす場合があります。
金額は「直前6か月の賃金」で決まる
答え: 離職前6か月の賃金の合計を180で割った額の、およそ50〜80パーセントです。
根拠:厚生労働省は、基本手当日額を「原則として離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額のおよそ50~80%(60歳~64歳については45~80%)」としています[1]。
年齢別の上限額が定められており、令和8年8月1日現在で、30歳未満が7,450円、30歳以上45歳未満が8,270円、45歳以上60歳未満が9,110円、60歳以上65歳未満が7,830円です[1]。
上限があるため、賃金が高いほど置き換え率は下がります。60歳以上65歳未満の上限が45歳以上60歳未満より低く設定されている点も、定年前後の設計では見落とせません。
自己都合なら、7日のあとさらに2か月待つ
答え: 待期7日間に加えて、自己都合退職の場合は2か月間の給付制限があります。
根拠:厚生労働省は、求職の申込み後の失業の状態にある7日間は基本手当が支給されないとし、これを「待期」としています[2]。そのうえで、自己都合退職の場合は「待期期間満了後2か月間(過去5年間に2回以上自己都合で離職している場合3か月間)は基本手当が支給されません」としています[2]。
つまり自己都合で辞めた場合、最初の入金までに2か月以上かかります。この間の生活費は自分で用意することになります。退職の時期を決めるときは、この空白を見込んでおく必要があります。
受給できる期間は、原則として離職の翌日から1年間です[2]。この1年を過ぎると、所定給付日数が残っていても受けられなくなります。
日数は離職理由で大きく変わる
答え: 一般の離職者は90日から150日、特定受給資格者等は年齢と期間に応じて最大330日です。
根拠:厚生労働省が示す所定給付日数は、自己都合・定年等の一般の離職者の場合、被保険者であった期間が1年未満および1年以上5年未満で90日、5年以上10年未満で120日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日です[3]。
特定受給資格者および一部の特定理由離職者の場合は、年齢と被保険者であった期間の組み合わせで決まります[3]。45歳以上60歳未満で被保険者であった期間が20年以上の場合は330日、35歳以上45歳未満で20年以上の場合は270日、30歳以上35歳未満で20年以上の場合は240日などとされています[3]。60歳以上65歳未満は、1年以上5年未満で150日、5年以上10年未満で180日、10年以上20年未満で210日、20年以上で240日です[3]。
同じ勤続年数でも、自己都合か会社都合かで日数が倍近く変わります。離職理由の区分は、離職票の記載に基づいてハローワークが判断します。
引退の時期を考えるときの材料になる
答え: 60歳以降は日額の上限も所定給付日数も別建てになっているため、年金の受給開始と合わせて考える必要があります。
根拠:基本手当日額の計算は、60歳から64歳については45〜80パーセントとされ[1]、上限額も60歳以上65歳未満は7,830円と、45歳以上60歳未満の9,110円より低く設定されています[1]。所定給付日数も60歳以上65歳未満は別の区分です[3]。
定年後に働き続けるか、いったん離職するか、年金をいつから受け取るか。これらは互いに影響します。年金の繰下げについては年金は繰下げたほうが得かで扱っています。年金を受け取りながら失業給付を受ける場合の調整については、本記事で参照した資料の範囲を超えるため扱いません。ハローワークまたは年金事務所にご確認ください。
よくある質問
Q. 退職したらすぐ手続きすべきですか? A. 受給できる期間は原則として離職の翌日から1年間です[2]。給付制限がある場合も含めて、早めに手続きを進めるのが実際的です。
Q. 自己都合でも給付制限がない場合はありますか? A. 特定受給資格者または特定理由離職者に該当する場合は、受給要件も緩和されます[1]。該当するかどうかはハローワークが判断します。
Q. 日額の上限は変わりますか? A. 本記事の数値は令和8年8月1日現在のものです[1]。毎年見直されるため、最新の額は厚生労働省のページでご確認ください。
Q. 役員は受けられますか? A. 本記事で参照した資料には役員の取扱いの記載がないため扱いません。ハローワークにご確認ください。なお社長が働けなくなった場合の公的な支えについては働けなくなったとき、公的な支えはどこまで届くかで扱っています。
Q. 給付制限の2か月間、収入をどう埋めますか? A. 待期7日と給付制限2か月を合わせると、最初の入金まで相当の期間が空きます[2]。退職を決める前に、その期間の生活費を確保しておくことになります。家計全体の設計は保険の相談についてからご相談ください。
出典
- 厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html、2026-09-23参照)
- 厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「基本手当の受給手続き」(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html、2026-09-23参照)
- 厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html、2026-09-23参照)