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遺族年金はいくら出るか。遺族基礎年金と遺族厚生年金を分けて数える

基準日 2026年9月23日 ・ 確認 安井義幸

結論(要約回答)

遺族年金は二階建てで、別々に数えます。一階の遺族基礎年金は、子のある配偶者と子が対象で、子がいなければ出ません。令和8年4月分からの額は、昭和31年4月2日以後生まれの方で847,300円に子の加算額を足した額です[1]。子の加算額は1人目・2人目が各243,800円、3人目以降が各81,300円です[1]。二階の遺族厚生年金は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額で、被保険者期間が300月(25年)未満の場合は300月とみなして計算されます[2]。会社員・公務員であれば、若くして亡くなっても一定の水準が確保される仕組みです。さらに、子のない妻などが対象となる中高齢寡婦加算があり、40歳から65歳になるまでの間、年額635,500円が加算されます[2]。「子がいるかどうか」と「厚生年金に入っていたかどうか」の2つで、出る額が大きく変わります。

結論の一覧表

項目 内容 出典
遺族基礎年金の対象者 子のある配偶者、子 [1]
子の要件 18歳に達する年度の末日までの間にあるか、20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子 [1]
遺族基礎年金の額(令和8年4月分から) 昭和31年4月2日以後生まれ:847,300円+子の加算額/昭和31年4月1日以前生まれ:844,900円+子の加算額 [1]
子の加算額 1人目・2人目は各243,800円、3人目以降は各81,300円 [1]
遺族厚生年金の額 死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3 [2]
300月みなし 被保険者期間が300月(25年)未満の場合は300月とみなして計算 [2]
中高齢寡婦加算 40歳から65歳になるまでの間、年額635,500円 [2]
遺族厚生年金の優先順位 子のある配偶者、子、子のない配偶者、父母、孫、祖父母の順 [2]

一階:遺族基礎年金は「子がいるか」で決まる

答え: 子のある配偶者と子が対象です。子がいない場合、遺族基礎年金は出ません。

根拠:日本年金機構は、遺族基礎年金の受給対象者を「子のある配偶者」と「子」としています[1]。ここでいう子とは、18歳に達する年度の末日までの間にある子、または20歳未満で障害等級1級もしくは2級の状態にある子です[1]。

年金額は、令和8年4月分から、昭和31年4月2日以後生まれの方で847,300円に子の加算額を加えた額、昭和31年4月1日以前生まれの方で844,900円に子の加算額を加えた額です[1]。子の加算額は1人目および2人目が各243,800円、3人目以降が各81,300円とされています[1]。

たとえば子が2人いる配偶者であれば、847,300円[1]に243,800円[1]を2人分加えて1,334,900円です。月あたりに直すと約11万円になります。子が18歳到達年度の末日を過ぎると、その子の分の加算はなくなり、全員が要件を外れれば遺族基礎年金そのものが終わります。ここが家計を考えるうえでの分かれ目です。

受給要件としては、保険料の納付要件があります。保険料納付済期間が加入期間の3分の2以上あることが原則ですが、令和18年3月末までは、65歳未満であれば死亡日の前々月までの直近1年間に未納がなければよいとされています[1]。

二階:遺族厚生年金は「報酬比例部分の4分の3」

答え: 死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額です。厚生年金に入っていた期間が短くても、300月あったものとして計算されます。

根拠:日本年金機構は、遺族厚生年金の額を「死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額」とし、被保険者期間が300月(25年)未満の場合は300月とみなして計算するとしています[2]。

この300月みなしが、若い世代にとって大きな意味を持ちます。入社10年目で亡くなった場合でも、25年加入していたものとして計算されるためです。自営業やフリーランスで国民年金だけの場合、この二階部分がありません。同じ年収でも、遺族に残る年金額は会社員と自営業で大きく違います。

受給できる遺族の範囲と順位は、子のある配偶者、子、子のない配偶者、父母、孫、祖父母の順とされています[2]。先の順位の方がいる場合、後の順位の方は受け取れません。

子がいない配偶者には、中高齢寡婦加算がある

答え: 条件に当てはまる場合、40歳から65歳になるまでの間、年額635,500円が加算されます[2]。

根拠:日本年金機構は、中高齢寡婦加算について、対象者が40歳から65歳になるまでの間、635,500円(年額)が加算されるとしています[2]。

子がいない、あるいは子が要件を外れた場合、遺族基礎年金は受け取れません。その時期を埋めるのがこの加算です。年額635,500円[2]なので、月あたり約5.3万円になります。65歳になると自分の老齢基礎年金が始まるため、そこで加算は終わります。

家計の穴がどこに空くかを見る

答え: 末子が18歳到達年度の末日を迎えるとき、そして65歳になるときが、受け取る額の変わり目です。

根拠:遺族基礎年金の子の要件は18歳に達する年度の末日までの間にあることとされ[1]、中高齢寡婦加算は40歳から65歳になるまでの間の加算とされています[2]。

つまり、遺族年金は一定額がずっと続くものではありません。子が育つにつれて減り、ある時点で一階部分がなくなります。教育費が最もかかる時期と、遺族基礎年金が終わる時期が重なることもあります。

必要な備えを考えるときは、「いま亡くなったらいくら出るか」だけでなく、「何年後にいくらに変わるか」を年表にしてみるのが実際的です。そのうえで、公的年金で足りない部分をどう埋めるかという話になります。ご家庭の状況に合わせた整理は保険の相談についてからご相談ください。

なお、遺族年金の制度は見直しの議論が続いている分野です。本記事は基準日時点の日本年金機構の記載に基づいています。最新の内容は日本年金機構のページでご確認ください[3]。

よくある質問

Q. 自営業でも遺族年金は出ますか? A. 国民年金の被保険者であった方が亡くなった場合、要件を満たせば遺族基礎年金が支給されます[1]。ただし遺族厚生年金は厚生年金保険の制度なので、厚生年金の加入歴がなければ二階部分はありません[2]。

Q. 子がいない夫婦の場合、どうなりますか? A. 遺族基礎年金は子のある配偶者と子が対象なので[1]、子がいなければ支給されません。遺族厚生年金については、子のない配偶者も受給対象者に含まれます[2]。あわせて中高齢寡婦加算の対象になる場合があります[2]。

Q. 自分の老齢年金と両方もらえますか? A. 他の年金との調整の仕組みがあります。詳細は日本年金機構のページでご確認ください[3]。

Q. いくら必要かは、どう計算すればよいですか? A. 生活費、住居費、教育費の見込みから、遺族年金と配偶者の収入を差し引いた不足額が目安になります。子の成長に応じて遺族年金の額が変わるため、時期ごとに分けて計算する必要があります。年金の繰下げ・繰上げとあわせた老後の設計については年金は繰下げたほうが得かもご覧ください。

出典

  1. 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-04.html、2026-09-23参照)
  2. 日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/izokunenkin/jukyu-yoken/20150424.html、2026-09-23参照)
  3. 日本年金機構「遺族年金(受給要件・対象者・年金額)」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/izokunenkin/jukyu-yoken/index.html、2026-09-23参照)

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