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iDeCoとNISAは何が違うか。所得控除と、引き出せる時期で分かれる

基準日 2026年9月23日 ・ 確認 安井義幸

結論(要約回答)

二つの制度は、税の効きどころと、お金を引き出せる時期が違います。NISAは運用益が非課税になる制度で、つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円、併用で年360万円まで投資できます[1]。非課税保有限度額は総枠1,800万円、うち成長投資枠は1,200万円までで、非課税保有期間は無期限です[1]。利用できるのは、利用する年の1月1日時点で18歳以上の方です[1]。一方のiDeCoは、掛金が全額所得控除になるのが最大の特徴です[2]。運用益も非課税で、受け取るときは年金なら公的年金等控除、一時金なら退職所得控除の対象になります[2]。ただし原則60歳に到達した場合に受給できる仕組みで[2]、途中で自由に引き出すことはできません。掛金の限度額は加入区分によって分かれ、国民年金第1号被保険者と任意加入被保険者が月68,000円、第2号被保険者は企業年金等がなければ月23,000円、あれば月20,000円、第3号被保険者は月23,000円です[2]。なお、拠出限度額は令和8年12月1日から見直されます[3]。

結論の一覧表

項目 NISA iDeCo 出典
掛金・投資額の所得控除 なし(運用益が非課税) 加入者が拠出した掛金は全額所得控除 [1][2]
運用益 非課税 運用中は非課税 [1][2]
受け取り時 — 年金として受給は公的年金等控除、一時金として受給は退職所得控除 [2]
引き出せる時期 制限の記載なし 原則60歳に到達した場合に受給できる [2]
年間の枠 つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円、併用で360万円 第1号・任意加入68,000円/月、第2号(企業年金等なし)23,000円/月、第2号(企業年金等あり)20,000円/月、第3号23,000円/月 [1][2]
総枠 非課税保有限度額1,800万円(うち成長投資枠1,200万円) 記載なし [1]
保有期間 無期限 — [1]
対象年齢 利用する年の1月1日時点で18歳以上 国民年金の被保険者区分による [1][2]
今後の改定 — 拠出限度額が令和8年12月1日から見直される [3]

NISAは「増えた分に税金がかからない」制度

答え: 投資した金額そのものが所得から引かれるわけではなく、運用で増えた分が非課税になります。

根拠:金融庁の資料によると、つみたて投資枠の年間投資枠は120万円、成長投資枠は240万円で、併用した場合は年間360万円です[1]。非課税保有限度額は総枠1,800万円で、うち成長投資枠は1,200万円が上限とされています[1]。非課税保有期間は、つみたてNISAで20年間、一般NISAで5年間でしたが、2024年からのNISAでは無期限になりました[1]。制度そのものも恒久化されています[1]。対象は、利用する年の1月1日時点で18歳以上の方です[1]。

つまり、今年払う税金が減るわけではありません。効いてくるのは、値上がりしたときや配当を受け取ったときです。裏を返せば、利益が出なければ税の恩恵もありません。

iDeCoは「今年の税金が減る」代わりに、動かせない

答え: 掛金が全額所得控除になりますが、原則60歳に到達するまで受け取れません。

根拠:厚生労働省は、iDeCoの税制上の扱いについて、加入者が拠出した掛金は全額所得控除、運用益は運用中は非課税、年金として受給する場合は公的年金等控除、一時金として受給する場合は退職所得控除としています[2]。受給については、原則60歳に到達した場合に受給することができるとされ、60歳時点で確定拠出年金の通算加入者等期間が10年に満たない場合は、支給開始年齢が段階的に引き延ばされます[2]。

「全額所得控除」は、その年の課税所得が掛金の分だけ減るということです。所得が高い人ほど効き方が大きくなります。ただし、その代償として資金が固定されます。教育費や住宅資金と同じ財布から出すと、必要なときに引き出せません。

掛金の限度額は加入区分によって分かれます[2]。

加入区分 拠出限度額(月額)
国民年金第1号被保険者(自営業者等) 68,000円
国民年金第2号被保険者(企業年金等なし) 23,000円
国民年金第2号被保険者(企業年金等あり) 20,000円
国民年金第3号被保険者 23,000円
国民年金任意加入被保険者 68,000円

自営業者の枠が大きいのは、会社員のような二階部分がないためです。国民年金だけで老後を迎える方に厚めの枠が用意されている、という設計になっています。

拠出限度額は令和8年12月から変わる

答え: 厚生労働省は、令和8年(2026年)12月1日からの拠出限度額を別途示しています。

根拠:厚生労働省の「確定拠出年金制度の拠出限度額」のページには、「DC拠出限度額(2026年12月1日~)」として、改定後の限度額を示す資料が掲載されています[3]。

本記事に載せた金額は基準日時点の現行の限度額です[2]。引き上げの方向で見直されますが、区分ごとの改定後の金額は、当サイトで確認できる資料に表記の揺れがあったため本記事では挙げません。厚生労働省のページで直接ご確認ください[3]。加入を検討されている方は、改定の前後で枠が変わる点を踏まえて計画してください。

どちらを先に使うかは、目的で分かれる

答え: 使う時期が決まっていないお金はNISA、老後まで使わないと決めたお金はiDeCo、という分け方が制度の設計に沿っています。

根拠:NISAの非課税保有期間は無期限で[1]、iDeCoは原則60歳に到達した場合に受給できる制度です[2]。

10年以内に使う予定があるお金をiDeCoに入れると、必要なときに動かせません。逆に、老後まで手をつけないと決められるお金であれば、掛金が全額所得控除になる分[2]だけiDeCoのほうが税の効きが早く出ます。

ただし、どちらも元本が保証された制度ではありません。運用する商品によっては、払った額を下回ることがあります。当サイトは投資判断の助言を行いません。商品の選択については、金融機関にご確認ください。

家計全体の組み立てとして、亡くなったときに家族へ残るお金、働けなくなったときの備え、老後の資金は、それぞれ別の手段で用意するものです。全体の整理は保険の相談についてからご相談ください。

よくある質問

Q. 両方使えますか? A. 制度上は別の制度です。それぞれの要件を満たせば利用できます。

Q. NISAの1,800万円の枠は、売ったら戻りますか? A. 非課税保有限度額の再利用の扱いについては、金融庁のページでご確認ください[1]。

Q. iDeCoは60歳より前に引き出せませんか? A. 厚生労働省は、原則60歳に到達した場合に受給することができるとしています[2]。60歳時点で通算加入者等期間が10年に満たない場合は、支給開始年齢が段階的に引き延ばされます[2]。

Q. 会社員と自営業で、どちらが不利ですか? A. 有利不利ではなく、公的年金の構造が違います。自営業は厚生年金の二階部分がないため、iDeCoの枠が月68,000円と大きく設定されています[2]。遺族年金でも同じ構造の違いが出ます。遺族年金はいくら出るかをご覧ください。

Q. 受け取るときに税金はかかりますか? A. iDeCoを年金として受給する場合は公的年金等控除、一時金として受給する場合は退職所得控除の対象です[2]。退職金と同じ年に受け取る場合の扱いなど、個別の計算は税理士にご確認ください。

出典

  1. 金融庁「NISAを知る」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html、2026-09-23参照)
  2. 厚生労働省「iDeCoの概要」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/kyoshutsu/ideco.html、2026-09-23参照)
  3. 厚生労働省「確定拠出年金制度の拠出限度額」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/taishousha.html、2026-09-23参照)

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